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| 第1回−「女性ホルモン」と「うつ」 | |
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| ●月経前のこころやからだの不快な症状には、対処する方法があります。
月経前症候群の治療には、くすりを使用しない方法と(セルフケア)、くすりを使用する方法があります。セルフケアには、食生活の改善、十分な睡眠、有酸素運動、マッサージやリラクゼーションなどがあります。その効果は研究により明らかにされているわけではありませんが、軽い症状ならかなりの改善がみられます。 しかし、セルフケアだけで十分な効果が得られない場合や、症状がつらく早く改善したい場合は、くすりによる治療が必要になります。 くすりによる治療方法としては、症状を緩和させるための対症療法や漢方療法、こころの症状を改善するくすり(向精神薬)やホルモン療法があります。 向精神薬の中ではSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)というタイプのくすりが月経前の憂うつや不安などのこころの症状の改善に有効であるとして注目されています。 |

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●月経前の症状を緩和するSSRI
月経前の不快な症状の中でも、憂うつ気分や不安などのこころの症状は日常生活に支障を来たすことが多く、問題になります。この憂うつ気分や不安などの改善には、抗うつ薬や抗不安薬が使用されます。なかでもSSRIというタイプのくすりは、月経前のこころの症状に対して、原因に迫るものとして注目されています。 SSRIはうつ病の治療薬として開発されたくすりで、うつ病の場合に脳内に不足しているといわれているセロトニンが、細胞内に再び吸収されるのを阻害することにより、セロトニンの作用を増強します。 このSSRIが月経前の不快な症状に対して、ほかの抗うつ薬よりも優れた効果を発揮することが分かってきたのです。そして、このことから月経前症候群のこころの症状には、セロトニンがかかわっているのではないかと考えられているのです。しかし、現在日本で使用可能なSSRIには「月経前症候群」という適応症を持つ薬剤はありません。月経前の憂うつな気分や不安など、こころの症状に悩んでいる人は、医師に相談してみてください。 |

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●ある患者さんの例
外資系企業に勤めるCさん(34歳)はいつも冷静なタイプなのに、月経前になると「情緒不安定になって、涙もろくなる。イライラして、ものを投げてしまうこともある」という訴えで私のクリニックを訪れました。 Cさんは、月経前のイライラやこころの不安定は会社ではなんとか抑えられても、夕方家に帰って来ると抑えきれず、家事や育児などの家庭生活に影響を与えるようになってしまったと言います。このままではいけないと思い、ご自身で本などを調べ、「有効な治療薬があるなら試してみたい」と考えていました。 症状に対してくすりの服用をかたくなに拒んだり、罪悪感を感じたりする患者さんが多い一方で、自分の症状をくすりによって改善することに積極的な患者さんもいます。 Cさんの場合も、くすりをのむことによって、このような月経前の気分の不安定を解消し、子供に悪い影響を与えたり、仕事でトラブルを起こすことを避けたいと考えていました。そのため、いくつかの治療方法を説明した上で、少量のSSRIを毎日服用することにしました。 2週間後、私の診察室に訪れたCさんは、ちょうど月経前の時期でしたが、「家庭でイライラすることが、以前より少なくなった気がする。先生に相談できてなんだかほっとしました」と話してくれました。 |
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