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家族は、患者さんが強迫性障害の治療にあせらずとり組めるような環境づくりを工夫してあげてください。治療は時間がかかり、根気も必要なため、「一日でも早くよくなって」というような励ましは慎重にしたほうがよいでしょう。だからといって、あからさまなあきらめは改善を遅らせることにもつながるため、「時間はかかるけど、治療すれば、少しずつ、じわじわと改善していく病気だと聞いたので、あせらず一歩一歩取り組んでいこうね」というような声をかけて、支えてあげてください。
また、これまでよりもよくなった点があれば、患者さんは自覚していないこともあるため、「とてもよくなった点があるよ。治療に取り組むのは大変だろうけれど、成果が上がっているのは確かだと思う」と、努力を言葉にして評価してあげてください。そのような評価が達成感となって、患者さんは、またがんばれるのです。しかし、「次はもっとがんばろう」と回復を急かすことは避けましょう。「治療にとり組む大変さを家族は分かってくれていない」、と患者さんに感じさせてしまうためです。強迫性障害の治療は、「焦らず、じっくり」が基本です。言わば、体力をつけるための筋力トレーニングのようなものかもしれません。トレーニングをしたからといってすぐに体力がつくわけではなく、根気よくとり組むことで着実な力がつくのと同じような感じです。そして、家族は、優しく見守り続けるマネージャーのような役割と言えるのではないでしょうか。治療効果を高めるために家族のサポートはなくてはならないものなのです。
また、ときには、治療をサポートするだけでなく、患者さんの健康的に保たれている能力を刺激することも有効です。強迫行為や強迫観念が少し減り、時間的、体力的な余裕が出てくれば、外出したり、スポーツをしたりして一緒に楽しむ時間を持つこともよいでしょう。
最後に、治療上の注意点として最も重要なことは、患者さんの強迫行為になるべく手を貸しすぎないようにすることです。強迫行為には、徐々にエスカレートしていく怖さがあります。患者さん一人で取り組む強迫行為が限界に達したとき、家族が強迫行為を手伝わなければそこで歯止めがかかるところを、家族がよかれと思って手伝うことが裏目に出て、強迫行為がさらにエスカレートしていき、そのうちに家族中を巻き込んだ複雑な強迫症状が形成されてしまう場合があるのです。ただし、強迫行為の手伝いを頼まれたときの断り方には最大限の慎重さを要しますので、ぜひ医師に相談してください。「辛そうだから本当は手伝ってあげたいけれども、強迫症状を手伝うことは、病気を悪化させてしまうことになるという医学的な話を聞いたので、今は手伝うことができない。その他のこと、例えば食事や睡眠、気分転換など家族が手伝うことで健康によいことであれば、こころから応援したいと思っている」など、思いやりをこめて説明してあげることが必要です。ときには、本人の前で、医師から家族に、「強迫症状は手伝わないようにしてください」と指示してもらうことが必要なケースもあります。
最後に
家族のサポートが患者さんの治療の大きな支えとなったケースをご紹介します。
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