○抗うつ薬の特徴 |
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それぞれの抗うつ薬の特徴を説明する前に、まず抗うつ薬の全般的な特徴を理解しましょう。
抗うつ薬には以下のような3つの特徴があります。
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抗うつ薬は即効性のあるくすりではないため、病院で処方されてのみ始めたからといってすぐに効果は現れません。効果が現れ、症状が改善されてくるまでに約2〜4週間ほどかかることがあります。そのため、くすりをのみ始めてすぐに効果が現れないからといってあせったり心配する必要はありません。また、勝手にくすりの服用をやめてしまうのもいけません。
抗うつ薬の服用は基本的に少量から始めて少しずつのむ量を増やしていきます。これは、それぞれの患者さんに必要な量を調整したり、少量から始めることにより副作用を避けるためです。
くすりの量が増えると「自分は症状が悪化しているのではないか」と勘違いして不安に思う人もいますが、抗うつ薬では徐々にくすりの量を増やしていくことは一般的なことです。
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抗うつ薬は症状がよくなってもしばらくは服用を続ける
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「頭では分かっているけれど、早くくすりをやめたい」、これは患者さんの本音だと思います。しかし、抗うつ薬は、医師の指示がある間は服用を続けなければなりません。その理由には次のことがあります。
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症状がよくなって患者さんが治ったと思っていても、それはくすりによって症状が抑えられており、本当によくなったわけではない場合があるためです。そのため、医師の指示のある間はくすりの服用を続けてください。しかし、だんだんと症状がよくなればくすりの量も減りますし、本当によくなればくすりをのまなくても大丈夫にもなります。
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うつ病は再発しやすい病気なので、症状がよくなってもその状態を維持するためにしばらくの間、くすりの服用を続けることが大切なためです。
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医師の指示がないのに勝手にくすりの服用をやめることは、うつ病の再発や慢性化の一番の原因になるためです。 |
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事実、うつ病が再発したという患者さんが、自分の判断で勝手にくすりの服用をやめてしまっていたケースが少なくないのです。
熱を下げるくすりなどは、熱が下がればすぐにくすりの服用をやめますが、抗うつ薬はうつ状態が改善してもしばらくの間、くすりの服用を続けます。
症状がよくなっているのにくすりの服用を続けることに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、こういう病気とくすりなんだと理解することが大切です。また、この抗うつ薬には常習性や習慣性はありませんので、「くせになって、やめられなくなるのでは…」といった心配はいりません。
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どんなくすりにも副作用はあるように、抗うつ薬の中にも副作用がでるものもあります。心配しすぎてもいけませんが、のみはじめに現れる一時的なものもあるため、まずは医師に相談してみましょう。
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